子育て・夫婦

子どもの進路選択・職業選択に親はどう関わるか【心理学的視点からの考察】

最近、早期教育とか、子どもの塾通いとか、みんな熱心にやってるよね

そういう人も多くいるね。

でも中には、そういう教育的な部分ではなく、遊ぶことを大事にしたり、子どもの自発的な行動を大事にしようとする親御さんもいるよね。

なるほどね。

近年は、親が持つ子どもへの期待感が大きくなっているなって気もするんだ。

良い学校に入学してほしい、良い仕事についてほしい、公務員になってほしい・・・

そういう声も保護者会とかでよく聞くよね。

そうだね。

子どもの進路選択・職業選択について、方向づけを図ろうとする人は今の時代多いかもしれないね。

でも、実際にはいろいろな考えがあると思うから、今回は子どもの進路選択・職業選択について、親御さんが普段考えていることをご紹介していくよ!

子どもの進路選択・職業選択に関するエピソード

1.公務員を希望する親御さんのケース


このご時世、やはり安定した職業についてもらいたいというのが親の願いです。コロナもあり、正社員でも簡単に首を斬られる時代。

私としてはやはり公務員を目指してほしい。娘とは違い、家を継ぐ予定の長男です。安定した収入で、家庭を築いて幸せになってもらいたいというのが私の考えです。

私は、何があっても対応できる「挫折力」を小さいときから養えるように子育てしてきました。言い方は悪いですが、それが親の思惑と違う方向へ進むきっかけとなり、何度も落ちたサッカーのプロ傘下のジュニアユースについに受かってしまいました。何回も落ちた試験を、「課題が見つかるのはいいこと。怖いものなんてひとつもない」と、繰り返し挑戦していました。

本当に強い子になったなと。小さいころ泣いてばかりいたのがウソのように思います。本人の努力のたまもので、本人も家族も喜んでいますが、やはり、一握りの世界、けがと隣り合わせの世界。

心から応援するのと同時に、不安な気持ちもあります。子どもが目指す方向性に葛藤を感じてしまうこともあります。

プロサッカー選手という職業、これが次男、三男だったら、また違うのかもしれません。オリンピックに出ているような選手の親は、仕事を変えて、引っ越ししてまで、子どもをサポートするという話を聞いたことがあります。すばらしいなと思いますが、私には到底できそうにありません。

子どもの人生は子どもが決める、私が乗り越えなければならない親としての試練なのかもしれません。

2.「自分のようにはなってほしくない」と思う親御さんのケース


現在14歳になる娘がいます。

娘には、収入の安定や世間体などにとらわれず、自分の好きな進路や職業についてほしいと、生まれたころから願っていました。

何故ならば、私が親の顔色をうかがってばかりいて、自分の意思は全く考えず、周りから期待された進路を選んだ経緯がありました。親は有名大学に進学することだけを望み、私もそれに応えようとしていたと思います。

しかし、受験に失敗するとそれまでの干渉は一転、無関心に変わりました。

職業選択においても全く干渉もアドバイスもされず、完全に自分を見失っていたことを覚えています。

自分の意思を持つことが許されない環境で育ったせいか、親の干渉なしには生きていけない体質に。大学時代は、なんとなく過ごしてしまい、将来どんな職業に就いていいかもわからずじまい。周りに合わせて就職活動をしましたが、自己分析もできないので、自分の本当の適正からはかけ離れている企業に就職しました。

その後、転職を繰り返し、ろくなスキルもつけることもなく、なんとなく人生を送っています。

このような経緯もあって、娘には自分の意思を尊重してほしいと思っています。中学生なので、まだ大学進学や将来の職業を決めつけることなく、幅広い視野を持ち、色々なことに興味が持てるように教育しています。

将来、いやいや仕事をするのではなく、好きなことを見つけて、それを極めてほしいと伝えています。私としては娘に、必ずしも大学に行かなくてもいいし、行ったとしても自分に合う学部を選んでほしいです。大学と限らず専門学校などの技能を磨ける学校に行くことも賛成です。

職業選択においても娘の適性を見分け、適宜アドバイスをしたいと思いますが、私の意見をおしつけようなどということは全く考えておりません。娘の人生なので、自分で納得がいく人生を歩んでもらいたいと切に願っております。

3.子どもの選択を尊重しようと努力する親御さんのケース

私には、43歳になる妻と、今年からパティシエになる為に専門学校に進学する18歳になる息子がいます。

「息子がどうしてもパティシエの学校に行きたい!」と切望するので、表面的には「自分でやりたいなら頑張れ」と応援はしていますが、内心では複雑な心境です。

私的には、「息子には大学に進学して、色々な経験をして、たくさんのことを学んで欲しい」と、内心では正直思っていました。

しかし、息子が頑なに「行きたい!」と言うので、折れて渋々同意はしたものの、やっぱり、息子には将来の可能性や選択肢を増やして欲しいという、強い思いの方が強くて、今だにモヤモヤが残っています。

でも、わかってはいるんです。

子どもは決して親の所有物ではないし、息子の意思は尊重してあげなければいけないことも・・・

親のつとめは「子どもが自立できるように育てること」だということを・・・

心ではわかっているんです。理解もできるんです。

でも、息子の将来を考えると、まだ若いんだからひとつの事に固執しないで、色々経験した方が絶対に良いと思ってしまう自分がいます。

その辺、妻は器量が広いので、「やりたいようにやらせてあげようよ!」と言います。

私だってそんなことはわかっているんです。でも、やっぱり複雑な気持ちに陥ってしまいます。

なんだかモヤモヤした気分が晴れないので、両親や兄弟、職場の同僚に意見を求めたら、「○○さんの息子、しっかりしてるじゃない!いまどき珍しいよ!その年で自分の意思をはっきりと言えて、明確な目標もあって、親として喜ばないとね!」と諭されます。

頭ではわかっているんですけど、心の奥底では、やっぱり釈然としない気持ちがあって・・・

でも、あれこれ考えてもしょうがないので、今は自分の子どもを信じるしかありません!遠くから見守ってあげるしかありません!

いつの日か、息子とお酒を酌み交わす日が来るまで、親として、彼の意思を尊重して応援します。


頑張れ!息子!

4.勉強しないお子さんを見守っている親御さんのケース

現在、中学2年生と小学生の2人の息子をもつ母親です。長男が本当に勉強をしなくて困っています。

まだ中学2年生で、あと1年あるとは言え、このままでは高校に進学できるのだろうかと、ふと不安に思ってしまう時があります。小学校のころは塾にも通っていて、勉強はわりと嫌いでもなかったのですが、中学に入ると同時に塾も辞めてしまい、部活に入るわけでもなく、学校へもただ惰性で通っているという感じです。

将来については、本人は好きなことで稼ぎたいと思っているようですが(好きなことはゲームです)やはり親としては、基礎的なことも学んで欲しいと思っています。ただ「好きなこと」があるから、今を頑張れているという部分も感じます。それに、学校での勉強には得意、不得意もあると感じていて、下の息子は記憶力もよく、学校の勉強に対しては負担は感じておらず、むしろ得意なようです。長男は創造性は豊かなのですが、興味のないことに根気よく取り組むことが難しいタイプです。


以前は、長男にも大学に通ってほしいとは思っていましたが、それも親の価値観の押し付けなのかもしれません。それに「学ぶ」時期も「学びたい」時期も、子どもによって違うのかもしれません。その子にあった進路は何か。社会人になってから学びなおす人も増えておりますし、冒頭では「勉強しなくて困る」と書きましたが、もう少し長い目で、ゆっくりと見守っていきたいと、今では思っています。

5.突然、大学を辞めたお子さんのケース

私には、20歳の息子がいます。

小さい頃から、勉強は良くできるほうで、割と優等生タイプの男の子でした。リーダー的な性格もあり、1人っ子にしては、近所の小さい子とよく遊んであげたり、面倒見の良い優しい子だった記憶があります。

私の母親が、小学校の教員、妹の旦那さんが高校での先生、私のいとこが大学の教員と、まわりに先生という仕事が多かったため、自然とうちの子も学校の先生になるのかなと漠然と思っていました。

しかし実際には、大学受験直前まで本人の意思がなかなか決まらず、無難な選択ということで経営学部のある大学に進みました。

普通に大学生として勉強して、普通に卒業してくれると思っていたのですが、ある日、突然、大学辞めてきたと言い出したのです。これには私も夫もかなり激怒してしまい、夫はしばらく私とも口をきいてくれませんでした。

少し落ち着いた頃、本人に今後どう生きていきたいのか聞いたところ、海外で働きたいと言い出したのです。とにかくお金をためてアメリカやフランスなどたくさんの国で色々な経験をしたいと話してくれました。

こうした本人が気持ちを話してくれたことも、私たちが息子の気持ちを聞こうとしたことも、恥ずかしながら初めてのことだったと思います。

今はコロナ禍で、渡米がなかなか出来ない状況ですが、夢を叶えるべく、バイトと語学勉強を必死に頑張っています。

毎日楽しそうに充実した日々を送っている息子の姿を見ると、私たちも嬉しい気持ちになってきます。

まとめ

お子さんの進路・就業への希望、そしてそれを受け止める親御さんの反応も様々ですね。

親御さん自身が、進路や仕事をどんな形で決めてきたかということもとても重要なポイントになっていると思います。

現代においては、自由な意思決定のあり方が尊重されています。

そうした中、男性らしさ、女性らしさという社会からの期待は表面的には弱くなり、自分らしい自由な選択をしやすくなったとも言えます。

しかし、その一方では社会規範が薄れる中で何をしていいかわからない、自由に決めていいと言われてもどうしていいかわからないという人も一定数いるように思います。

そうした中、「本人の意思を尊重する」というだけの姿勢ではなく、共に考えるべきパートナーとして親御さんが存在しているという形もひとつのあり方となっていると感じて医mさ宇。

進路・仕事の選択は、人生を大きく左右する決定となりますが、重要なことを決定するための「意思決定プロセス」をしっかり経験していくことも大事になってきます。

何を選ぶのか? 何を選ばないのか? その理由はなにか?

答えを示すのではなく、大事なことをどんなふうに決めていくかという「プロセス」を一緒に共有し、考えていくことは、子どもがこれから社会に出て様々な役割を担う中で、役に立つ体験になると言えます。

また、昔は「食うために働いた」と言いますが、今の時代は、自分自身に価値があることを感じられたり、社会に貢献しているという感覚を持つことを重視する人も多いと言われています。

そうした世代間のギャップ、考え方の相違が親子間で起こる場合もありますが、そうした時代の違いというところもきちんと理解していくことが、他者を理解するための手がかりになっていく可能性もありますので、どちらかの意見を無条件に採用するのではなく、意見の相違を一緒に楽しむくらいの余裕が必要かもしれませんね。

お子さんが成長して、いつか誰かを育てる役割を担うようになった時、そうした親の気持ちが改めて伝わる時が来ると思いますので、試行錯誤をしながらにはなりますが、お子さんの自立と成長を応援できる形を模索していけると良いですね。

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