子育て・夫婦

発達障害に対する経絡治療・鍼灸治療は効果があるか?

発達障害の診断数は増えていると言われているね。

それだけ多くの人が悩んでいるという側面もあると思うんだけど、過剰診断じゃないかという指摘もあるよね。

そうだね。

やはり精神疾患は数値で診断ができるものではないから、診断をつけることの難しさ、あいまいさというのは常に考えなければいけない問題だね。

一般的には、薬物療法を行ったり、SSTを行ったりということになるけど、現場では東洋医学的な治療法を希望される方も少なくないなって思うんだ。

治療のエビデンスとしてはどんな感じなんだろう?

実際に効果があると感じている人もいるみたいだけど、統計学上では、まだ効果があるとは言い切れない状況だね。

今回は、そのあたりを詳しく解説していこう!

発達障害と東洋医学

発達障害に対しては、経絡治療といって、経穴(ツボ)や、鍼(はり)、灸(きゅう)を用いた治療が行われています。

こちらの接骨院のホームページを見ると、頭部と全身の必要なツボに針を刺して、微弱電流を流すという治療を行っているようです。

また、日本新経絡医学会のホームページを見ると、発達障害の治療の学術的研究を行う旨の記載があり、発達障害だけでなく、学習障害、うつ病、パニック障害、自律神経失調症・ダウン症等も新経絡治療の適応疾患となっています。

こうしたホームページを見ると、経絡治療が一定の効果をあげているようにも見えますが、効果があるというエビデンスはまだ確立されていない状況もあります。

質の高いシステマティックレビューの普及に取り組んでいるコクランのウェブサイトを見ると、「自閉症スペクトラム障害(ASD)患者における鍼療法」についてのシステマティックレビューの要約が掲載されています。

コクランレビューによると、メタアナリシス(メタ分析)を用いた分析により「最新のエビデンスはASDの治療に対する鍼療法の使用を支持していない」という結論が導かれたことが報告されています。

しかし、ある特定の条件下では症状の緩和が認められること、また質の高い研究が十分になされていない領域であることも報告をしています。

つまり、現時点では効果があると明言することはできないが、効果がないとは言い切ることもできない、そうした状況にあると言えます。

経絡治療を受ける際の注意点

これまで説明したとおり、経絡治療に効果があるという根拠(エビデンス)はまだ確立されていません。

しかし、効果があったということを実感している人も一定数いるというのが現状かと思いますので、自分も受けてみたい、子どもに治療を受けさせたいと考える人もいると思います。

では、どうように判断をしていくと良いでしょうか。

厚生労働省のホームページを見ると、鍼治療はある種の疼痛状態をコントロールするのに有効である可能性が示唆されていますが、その他の健康問題に対するその価値に関する科学的根拠(エビデンス)は明らかではないこと、その一方安全性については比較的高い治療法であることが書かれています。

効果があるか不確かであっても治療を受けたいという場合には、どういった有害な副作用や副反応が起こり得るかを確認しておく必要があるでしょう。

単なる針治療なのか、電流を流す治療なのかといったような、一般的な治療法を用いるのか、治療施設独自の治療を用いるのかなど、事前に確認を行い、効果と副作用について話を聞くことが必要になります。

治療法のメリットばかり強調する治療者に対しては、デメリットの部分も教えてもらうようにしましょう。

それに加えて、自分自身でもインターネット等で情報を収集し、安全性の高い治療法なのかを十分吟味する必要があります。

効果が十分にある場合、副作用も多少は出現するというのが一般的な考え方です。

効果と副作用の両方を理解したうえで、治療に臨むことが必要になります。

もしそうした情報収集や意思決定が難しい場合には、身近な支援者に相談してみるということもひとつの選択肢になります。

子どもであれば療育関係の支援者や、発達外来の医師、学校のスクールカウンセラーや、地域の保健師など信頼できる支援者に相談をする中で、情報を整理していきましょう。

身近な支援者に相談するということは、現在の支援を否定し、別な治療法を探すというメッセージになるのでは?と不安になる方もいるかもしれませんが、それだけ現状を改善したいという強い思いがあるいう形で理解を示してくれる方も必ずいると思いますので、ひとりで抱え込まずに相談をしていただければと思います。

興味がある方は、こちらの本もご覧ください。

Oisix(おいしっくす)